以外と知ってるようで
知られていないレース界の内側
へぇ~と思う話もあれば
大した事ないな・・と思う話も。
一つ言える事は、レースしているからと言って
別に大した事ではないと言う亊。
意外と皆が思う程の事してないという亊。
僕のレース人生の集大成だった
2004年の鈴鹿4時間耐久レースをメインに
僕がどんな事をしていたのか知ってもらうのも
面白いかと思いました。
「レーシングチームハニービーとの出会い」
1997年まで 僕は、基本 自腹でレースをしていました。
この時点でSP400クラス2年連続シーリズチャンピオンを得とく。
既に国際ライセンス昇格の条件は、満たしているものの
全日本に戦いの場を移しても4サイクルレースだと
全日本最高クラスであるTT-F1(現スーパーバイク級)しかなく。
自腹で参戦するなら
住宅ローン組んで、それを全て注ぎ込まなくては
無理と言われた時代。
おまけに、それだけしても各ワークスチームが参戦している
このクラスでは、ただ「参加してるだけ」になるといった
虚しい行為でもある。
ハードの時点で勝てないレースに参戦する動機を
見出せるわけもなく・・・・
かといって、これ以上SP400でタイトルを取り続けても
仕方ないと思い、レースを辞める事にしました。
で、当時 タイヤサポートをして頂いていた「ブリヂストン」さんに
挨拶に行った際、
「レーシングチームハニービー」が4耐で勝てるライダーを探しているけど
紹介してあげようか?と言われた。
思わず 「マジっすか!?」と。
レーシングチームハニービーとは、関東の老舗名門チーム
レースをするアマチュアライダーからしたら
正に「憧れの的」 そこのライダーになれるなんて、
女性なら宝塚に入団出来たようなもの。
早速、ブリヂストンの○○さんがチームの社長に電話して
下さって、僕の紹介をしてくれました。
名前を出すと、知っていてくれたらしくて
「いい走りをしているけどバイクが遅い」という印象だったらしい。
そりゃそうだ、同じホンダCBR400RRを走らせていたけど、
ハニービーのCBR400RRは、
FCRに専用ラムエアボックス
専用EXマフラー
HRCクロスミッションに加えレギュレーションを守りながら
空力を考えられた外装を纏っていた。
当時 最速だったカワサキZRX400をストレートで
スリップストリームを使わず抜けるバイクだった。
それに比べ僕のCBRは・・・・
キャブレターノーマル
ミッションノーマル
外装 普通・・・
HRCの最低限キットを組んだだけの
ストレートでZRX400にゴボウ抜きされるバイクでした。
今で例えるなら、250が600に抜かれるくらいの
感じに似てましたね。
おっと、話が脱線しました。
そして、僕なら 文句無しに採用!という亊で
一度、チームの本拠地である東京で会おうと
言う亊になった。
帰り路、足が地につかないぐらい
浮かれていたのは、言うまでもない。
ちなみに、関東と関西では、レースで出世するスタンスが
全然違います。
関西は、レースを始めた時から 速くなっても
あくまでも自腹が基本、チームによっては、
物品サポートなどは、あっても
完全なサポートを行うところは、少ない。
自腹で努力して速くなって借金こさえて
ステップアップしていくシステム。
対して関東は、そんな泥臭いレースは、しない。
勝てるライダーを雇って、勝てる為の全てを与える
もちろん、サーキットでは、言動から服装まで
厳しく指導されます。
勝てなかったり、オーナーの意思にそぐわない奴は、即クビ!
当時の僕の待遇
フルオーダーツナギは、毎年新品
ヘルメット、グローブは、汚れたり
転倒で傷付いたら、いつでも新品。
タイヤは、メーカーから支給
バイクのメンテナンスは、チームが行い
もちろん無料。
転んで壊しても無料。
テスト日やレース日に東京から
マシンとスタッフが遠征してきてくれる。
レースウィーク中の食事もチーム持ち
レース結果によってチームから賞金がもらえる。
ポールポジション手当
1~3位手当
コースレコード手当
レース中ベストラップ 手当 等
これだけ聞けば 羨ましく思われるかもしれないけど
常に結果が求められ
手元にマシンが無いだけに走りたくても
走れないジレンマ、酷い時は、半年走れず
レースは、ぶっつけ本番というのもあった。
それでも言い訳は、通用しない。
だって その為に雇われているのですから。
雇われる以上、ライダーとして「完成」しているのが
前提、走れてないから、とかは、無しなんです。
パドックから統一したチームシャツでスマートに、
綺麗な装具に綺麗で速いマシンで結果を残す、
それが関東風。
飼い主がいて、僕達は、飼い犬
いい寝床、いい食事、いい服、いい玩具を
与えてもらえる代わりに芸達者でなきゃいけない。
もちろん、飼い主の手を噛むなんて絶対許されない。
このシステムが出来上がっているからこそ
関東から多くのワークスライダーが選出されているんじゃ
ないかと思います。
もちろん、大きなチームは、メーカーとの繋がりも
ありますから それも有利に働くのでしょう。
これで僕も憧れの「雇われレーサー」になったというわけです。
つづく